Helvetica Now

世界中で最も有名で、かつおそらく一番使われている書体であるHelvetica(ヘルベチカ)。そんなHelveticaが実に5年近くの開発・制作期間を経て大幅にアップデートされ「Helvetica Now」としてリリースされた。

字体の細かなデザイン調整はもちろんのこと、現代のデザイナーやクリエイティブが求める要件を満たす新しいデジタル時代のHelveticaとなっている。

前回のHelveticaの大幅なアップデートは1983年のNeue Helvetica。“Neue(ノイエ)”はドイツ語でNewの意味だが、すでに30年以上も前の話だ。

今回のアップデートの目玉はText / Display / Microの3つの用途別サイズ(オプティカル・サイズ)が用意されていることだ。

3つとも同じHelveticaのデザインながらも、後述する様々な用途で最適になるよう細かなデザイン調整がされている。

1つ目の「Text」は本文などの一般的な用途向け。全部で8つの太さとイタリック体が用意されている。

Thin / ExtraLight / Light / Regular / Medium / Bold / ExtraBold / Black

2つ目の「Display」は見出しやタイトルなどの大きく使う場面で用いると良いだろう。

Textの8つの太さに加え、超極細のHairline、超極太のExtra Blackも用意されている。字間が狭めでカッチリとした印象を受ける。

Hairline / Thin / ExtraLight / Light / Regular / Medium / Bold / ExtraBold / Black / ExtraBlack

3つ目の「Micro」は、今回のHelvetica Nowの醍醐味にあたるといって良いだろう。

近年私たちの生活には必需品となったスマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど、主にスクリーン上で小さいフォントサイズでも潰れてしまわないよう、低解像度環境でも見やすいよう最適化されているのがMicroだ。実際に文字を組んでみると、若干ふところが広く、ゆったりとした印象であることが分かるだろう。

ExtraLight / Light / Regular / Medium / Bold / ExtraBold

ほかにもHelvetica Nowには大文字のGやR、小文字のa、i、j、l、t、u、yにはデザインが異なる文字(異体字)も収録されている。
(Adobe PhotoshopやIllustratorやInDesignなどのOpenTypeフォント機能が使えるアプリケーションが必要。)

オリジナルのHelveticaでは好き嫌いが分かれることが多かった、大文字のRの右足(レッグ)の部分を直線のデザインに切り替えられたり、小文字のaは2階建てから1階建てのデザインにできたりと好みに応じて変更可能。

異体字に変更してみると、Helveticaのイメージとは異なるイメージになる。

また大文字のI(アイ)と見間違えることが多かった小文字のl(エル)の最後の部分を曲げることができ、Helveticaの弱点でもあった視認性の向上も克服できる。

Helvetica Nowは合計で48フォント。新発売記念でセール中のため、フルセットを約15,000円で購入可能だ。
https://www.myfonts.com/fonts/mti/helvetica-now

またHelvetica Now Display BlackはMonotype社のサイトから無料でダウンロードできる。
https://hello.monotype.com/Helvetica-Now-Download.html

新しい時代の、新しいHelveticaをぜひ試してみてほしい。

Text : 山田 晃輔(PETITBOYS

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